旅のエッセイ 『おとなふたりのバスク』Vol.4 地元愛・人柄が、世代を超えて引き継がれるサンセバスチャン

地元愛をもって旅人を魅了するのはバルばかりではありません。ショーウィンドウが、そのショップの佇まいが、私達のアンテナにビビッときて、思わず入ってしまったショップ3件をご紹介したいと思います。

地元のアーティスト発掘するアートショップ Lance &Malone 

店内のイラスト画は、色彩豊かでモダンだけれど、どこか懐かしくて、冬景色でさえ暖かいのがこの街ならではと妙に納得。地元のアーティストを発掘し、その作風にあった商品展開に徹しているダンディなオーナーが、柔らかな笑顔で迎えてくれます。スペイン語は通じなくても地元愛は充分通じるものなのですね。


ファッションブランド「colors of bask country & Sayonara Factory」

話ができたのはSayonara Factory のマネージャー。日本のデザイン、色調、品質を敬愛していて、着物や和装小物のデザインを取り入れた商品が目につきます。地元の生地やリサイクル素材を使いながら、品質にも拘ることを熱く説明してくれました。自然と引き寄せられたのは、地元愛×日本愛の親近感だったのか・・と納得しました。

オーナーの地元愛が溢れている Beer Bar 「ONDARRA(海辺の太陽)」

グロス地区の海岸に添った道のT字路に、海に向けて開いた窓から軽快な音楽が聞こえてきて、海風と共に店内へ招かれてしまったのがこの店です。オーナーは、地元出身のミュージシャンや画家の活動を支援しながら地ビールを売りにし、夜はさらにカクテルや軽食メニューが増えると、やる気いっぱいのスタッフが説明してくれました。コクのあるビールにつまみの青唐辛子のオニオンガーリック漬けが絶品で、青唐辛子を買って、レシピを真似してみることにしました。


それぞれ世代は違う人達でしたけど、地元の才能やよい材料を生かすことにこだわって、地道に活動をしていることは共通しています。それが押しつけがましくないところが人柄、土地柄なのでしょう。なんだか応援したくなって、必要以上に買ったり食べたりしてしまいました。

ヨーロッパai

ヨーロッパを旅して30年。建築やグルメ、ライフスタイルと幅広い分野で執筆。最近はエイジングライフを切り口にしたコンサルタントとしても活躍中 !

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