ビルバオで建築物をめぐる街歩きは、今回のTo doリストの重要テーマでした。市の中心にあるモユア広場からの見学ルートは予め決めてありましたが、思っていたよりそれぞれが近くて、どれも存在感のある建物なのですぐに見つけることができました。ぜひお勧めしたいルートです。
最初の目的の県立保険衛生局のメタリックガラスで覆われた斬新な外観はすぐに目に留まります。その向こうには、レンガと石造のゴシック様式の文化施設アスクナ・セントロアが、すぐに「あれだ」とわかる独特な存在感を放ってます。この新旧対極の姿が一緒に目に入っても違和感ないのが不思議です。セントロアは、一見いかつい建物で身構えてしまうけど、臆せず中へ入ってください。
まず、フィリップスタルク(浅草吾妻橋のアサヒビール本社天辺の金色オブジェを作った人)の様々なオブジェで装飾された列柱が迎えてくれます。その最上階まで吹抜けた空間は圧巻!そもそもその昔、ワイン貯蔵庫としてこんなドラマチックな建物を作るのもすごいけど、それをシアター、プール、Art Shopが入る複合施設にしてしまうビルバオは、輪をかけてすごいと思います!
感心しながら数分行くと、半透明ガラスの外壁に世界中の言葉をシルクスクリーンで印刷した、まるでギフトBOXのような図書館に出会います。ぜひBOXの中から街路の風景を楽しんでみてほしいです。街路樹が美しいメイン通りに出て程なく見えるのが、老舗のデパート、エル・コルテ・イングレスです。ここでお土産を調達する予定なので、ちょっと下見してから、最後の目的地のメトロ駅の顔であり観光案内所がある建物へ向かいました。
入った時のあの感動は今でも蘇ってきます。約120年前はホテルだった建物でクラシックな外観ながら中はアールデコ様式が取り入れられています。その内装をいかしつつ、モダンなオフィス家具とうまく調和していて見事と言うしかありません!しかも、とても機能的にレイアウトされているのです。見上げれば、日差し降り注ぐ天窓のステンドグラスは鮮やかな花を咲かせてるし、とにかく素敵すぎます。古い建物を「何とか保存せねば」でなく「心地よく使わなきゃウソ」の心意気に惚れました。ビルバオのリノベーションは本気です。
◆追記:「観光局がそこにある意味」
挨拶だけのつもりで観光局に立ち寄ったのですが、ブログに書いた通り、その時空の威力に心臓を射抜かれてしまったわけです。日が経つにつれ、あそこに観光局を置いた意味がある気がして、どーしても聞きたくて、問い合わせました・・・結果、やはり、ちゃんとした理由がありました。頂いた資料には、1983年ホテルだったこの場所は、新旧市街地の接点で「街と人をつなぐために戦略的に建設され、120年の時を経た2013年、ふたたび、観光案内センターにすることで、旅人を歓迎する窓口であり、来る人とここに居る人を繋ぐ、本来の使命を取り戻したとありました。他の観光地とは気概が違いますので、是非ここを入口にビルバオを楽しんでください!